子供の為に“早退しなくていい町”をつくる

私は母子家庭で、ひとりの子どもを育てながら働いてきました。

子育てと同時に設計士の資格取得を目指し、設計事務所で働いていた頃のことです。

その事務所は子育てに理解のある職場でしたが、ある日、保育園から
「お子さんが体調を崩したので迎えに来てください」と連絡がありました。

本当はすぐに帰りたかったのに、「子どもが熱を出したので早退させてください」と
上司に言い出せず、1時間ほど悩んでしまい、無駄な時間を過ごしたことがあります。

子どもは急に熱を出します。熱が出れば保育園には預けられず、親は仕事を休まざるを得ません。
だからこそ、多少自分が熱っぽくても仕事に行ってしまう。そんな日々が続きました。

30歳を迎える頃、私は軽い風邪をひきました。
しかし仕事を休みにくく、薬を飲みながら出勤し続けた結果、症状は悪化し
「慢性扁桃炎」と診断され、入院することになりました。

当時の職場は理解がある環境でした。 それでも「休みます」「早退します」の
一言を言うことに、どうしてもためらいがありました。

今、私は独立し、スタッフを雇う立場になりました。
面接では、子育て中のお母さんには
「お子さんが病気になった時はどうしますか」と必ず尋ねます。

理由は、前もって休みの連絡があれば問題ないものの、
当日の朝や出勤直前の急な欠勤は本当に困るからです。

そのスタッフが出勤する前提で仕事の段取りを組んでいるため、
急な欠勤は現場に大きな影響を与えます。

もし急に休んでも支障がないのであれば、その人は職場に必要と
されていないということになってしまいます。

現在、鞍手町には病児・病後児保育があり、宮若市も提携しています。
面接に来るお母さんたちはよく調べていて、

「鞍手町の病児保育に預けます」と言います。

しかし、宮若市で子育てをしているスタッフは数人いますが、
実際に子どもが病気の時にそこへ預けて出勤してきた人は一人もいません。

利用しにくかったり、宮若市から距離があり不便なのだと思います。

子育てのためにパートタイムを選んだり、仕事を控えているお母さんは多くいます。
本当はもっと活躍したいお母さんもたくさんいるのです。

私は、そんなお母さんたちが子どものために早退したり休んだりしなくて済む
環境づくりに力を注ぎたいと考えています。

今はオンライン診療も進んでいます。 保育園や学校と連携し、
保護者と連絡を取りながらオンラインで診察を受けられれば、

「今すぐ迎えに行くべき病気なのか」
「仕事が終わるまで保健室で安静にして待てる程度なのか」

判断することは難しくありません。

活躍したいお母さんたちが本当に望んでいるのは、交付金や無償化ではなく、
子育てをしていない人と同じように働ける環境だと私は思います。

「熱が出た=即お迎え」という旧来のルールは今の時代見直せます。

地域の小児科・内科クリニック → オンライン診療の実施

保育園・幼稚園・認定こども園 → 発熱時の一次対応

小中学校 → 保健室でのオンライン診療


● 制度案

  • 保育園・学校にオンライン診療端末(タブレット)を配備
  • 看護師または保健室職員がオンライン診療の一次対応を担当
  • 医療機関と連携し、診療可能な時間帯を確保
  • 診断結果を保護者と共有し、迎えが必要かどうかを即時判断
  • 軽症の場合は保健室・静養室で待機できるルールを整備

●必要な主な予算

  1. タブレット端末の整備費
  2. 通信環境の整備
  3. 医療機関との連携費(委託料)
  4. 保育園・学校職員の研修費

新規で大きな予算を組まなくても、既存の国の補助金で十分対応できるのではないかと思います。
国の「ICT教育推進補助金」 「地域医療連携推進交付金」は利用できると思います。